東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅反落となりました。157円安の38,677円で寄り付いた日経平均は直後に85円安の38,749円を付けた後下げ幅を大きく広げると、前引け5分前に551円安の38,283円まで下落し531円安の38,303円で前場を終えました。
575円安の38,259円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げると13時30分過ぎに675円安の38,159円まで下落し結局632円安の38,202円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
13時55分に本決算を発表したトヨタ(7203)が一時4.1%安となりました。2025年3月期の営業利益が前期比19.7%減の4兆3000億円となる見通しを示したことから決算発表直後に下げ幅を広げました。
しかし、自己株式を除く発行済み株式総数の3.04%にあたる4億1000万株、1兆円を上限とする自社株買いを発表したこともあり、売り一巡後に下げ渋ると上昇に転じる場面もあって結局小幅安で取引を終えています。
昨日の引け後に本決算を発表したリコー(7752)や任天堂(7974)も大きく売られました。リコーは複合機を活用してオフィス業務の効率化を支援する主力事業が伸びることなどにより2025年3月期の営業利益が前期比で12.9%増となる見通しを示しましたが、市場予想に届かなかったことで一時9.6%安となりました。
任天堂(7974)も「ニンテンドースイッチ」関連の販売が減速することなどにより2025年3月期の営業利益が前期比で24.4%減となる見通しを示したことから一時5.6%安となっています。
一方で12時に本決算を発表した日本郵船(9101)が一時5.6%高となりました。自己株式を除く発行済み株式総数の7.6%にあたる3500万株、1000億円を上限とした自社株買いを発表し、取得した自社株を全て消却するとしたことから後場に入って上げ幅を広げました。
ユニ・チャーム(8113)も一時6.3%高となりました。日本で大人用紙おむつや生理用品を中心に値上げが浸透したことに加え、ペット商材を扱う事業も伸びたことなどにより第1四半期のコア営業利益が前期比で32.1%増となったことから買いが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は632円安となりました。昨日の米国市場での半導体株安を受けて売りが優勢となりました。寄り付き直後には85円安まで戻す場面もありましたが、25日移動平均線(38,692円)を小幅に上回ったところで上値が押さえられ、下げ幅を大きく広げました。
そのため25日移動平均線が上値抵抗線として意識されそうで、一目均衡表の雲の下限(38,229円)を割り込んだことから下値への警戒感も出てきそうです。
なお、決算発表が一段と本格化しています。本日も引け後にディー・エヌ・エー(2432)やLINEヤフー(4689)、オムロン(6645)、IHI(7013)、オリックス(8591)、ヤマトホールディングス(9064)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)
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