【4月24日の注目株＆日本株市場見通し】
累進配当など配当方針変更に注目/“配当分の株価下落”
って何？/日経平均続伸 「デイリーZAi」4/24号

【1】今日の株式相場早わかり！
米株高を受けて大幅に上昇！

　日経平均株価は大幅に3日続伸！ 23日の米国市場では主要株価指数が前日に続き上昇。地政学リスクの後退に加え、利下げ期待が再燃して、半導体や半導体製造装置などの関連株が上昇した。取引終了後に決算発表したテスラは、1～3月期こそ減収減益も、低価格の新型モデル発売を前倒しする計画が好感され、こちらも時間外取引で株価は上昇した。米株高を受けて日経平均株価は上昇してスタート。その後も順調に上げ幅を拡大し、終値は900円を超える上昇で3万8400円台を回復した。東京エレクトロンやディスコなどの半導体関連や、システム障害の復旧を発表したHOYAなどが好調だった。一方、前日に決算発表したニデックは、実績・計画ともに市場予想を下回ったことから軟調だった。

　明日は信越化学工業やキーエンス、第一三共、富士通など大手の決算発表が多数予定されており、注目だ。また、25～26日には日銀の金融政策決定会合も開催される。円安や物価高が続いており、追加利上げの時期に焦点が集まる。ただ、市場では当面、現在の政策金利を維持するとの見方が大勢だ。

【日経平均】38460.08円↑↑（+907.92円）
【グロース250】655.60↑（+4.96）
【NYダウ】 38503.69ドル↑（+263.71ドル、23日）
【ナスダック】15696.640↑↑（+245.335、23日）

■日経平均株価チャート／日足・6カ月

【2】今日の注目株！
累進配当やDOE導入！ 配当方針を変更した銘柄

　株主還元に投資家と市場の注目が集まるなか、配当方針の変更の発表が相次いでいる。4月1～23日に発表されたものをまとめた。

　東京コスモス電機をはじめ、10社中4社がDOE（株主資本配当率）の導入だ。DOEを基準とすると、配当額が利益の増減に左右されにくい。これら4社はPBR（株価純資産倍率）が1倍を大きく下回る、あるいは1倍ぎりぎりの水準。貯め込みすぎの資本を配当に振り向け、資本効率を上げる狙いがあると思われる。

　ドーン、No.1、宮崎銀行は累進配当を導入。配当額を維持または増額、つまり“減配しない”ことを方針とする累進配当は、投資家の注目度も高い。こちらはより純粋に株主還元強化の色が強いといえよう。ただし宮崎銀行はPBRが約0.3倍ときわめて低く、資本効率の改善という目的も大きそう。同社は併せて自社株買いの実施も発表している。

　2022年に上場したギックスは初配当を実施。2024年6月期は期末27円のみだが、2025年6月期以降は中間26.5円、期末27円で配当額を固定すると発表し、ストップ高となった。多くの銘柄が配当方針の変更に伴い予想配当を増額、市場の好感で発表後の株価は大幅に上昇した。有沢製作所や住石ホールディングスもストップ高となっている。

■有沢製作所株価チャート／日足・6カ月

【3】水曜連載「投資の疑問に答えます」
「配当落ち分」の株価下落って何？

（ご質問）
　権利落ち日（配当などの権利付き最終日翌日）に「配当分、株価が下落する」とよく聞きますが、どういう意味ですか。その理由は？

（答え）
　1株当たりの配当金額分だけ、理論上、株価が値下がりすることです！

　1株1000円の個別株を保有しており、その配当金が1株当たり100円だったとします。権利付き最終日までに買って持っていた人は100円の配当を受け取れますが、翌日の権利落ち日に買った人は配当の100円がもらえません。すなわち、その銘柄の1株の価値は配当分の100円下がったとみなされ、理論上は1株900円になります。100円分の値打ちが株式から剥落するのでその分、株価が下がるのです。

　ただし、これはあくまで「理論上」の話。実際には株価は配当以外にもさまざまな理由で動くので、値下がりしないこともあります。こういう場合、「配当の権利落ち分を埋めた」といった表現で報道されることがあります。

　ところで、「××日は3月期末の配当の権利落ち日にあたり、日経平均株価には○○○円ほどの下押し（値下がりの圧力）があるとみられる」といったニュースがよくあります。先ほどの個別株と同じような現象が、日経平均株価などの指数の場合でも起こっています。

　たとえば日経平均株価は225銘柄で構成されています。構成している銘柄が権利落ち日を迎えると、その銘柄の配当の合計分だけ、平均株価を理論上、押し下げます。厳密にいうと単純な「合計」ではなく、複雑な計算を元に下押しの金額が算出されますが、権利落ちの銘柄数が多いときほど、下押しの金額は大きくなり、指数は下がりやすくなります。

　なお下の図は、先月の日経平均株価のチャートです。3月27日が権利付き最終日、翌28日が権利落ち日で、配当落ち分は「約260円」とされていました。この日の終値は前日より594円安だったので、配当落ち分以上に下げたといえます。

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